救われる気持ち。

Nanaki2006-05-20


 CDをいつものように買いあさっていたら突然の夕立。昼間あんなに晴れていたのに。しばらく本屋などで時間を潰しつつ雨が弱くなったところで駅へ向かい電車に乗る。すると電車に乗った瞬間、日が射し込んできた。
 
 
そして電車の窓に一瞬見えたもの―――虹だ。
 
 
 だんだん色がハッキリしていき、綺麗な弧を描いていた。僕は思わず席を立ち上がり、ドアの窓に張り付いた。綺麗な半円、うすぼんやりとした七つの色、虹をみたのは何年振りだろう。子供の頃に見たような、微かに覚えているそれよりもはっきりと綺麗で繊細なものだった。しばらくあまりの美しさに周りも気にせずぼんやりと見ていた。さぞかし滑稽な顔をしていただろう。5分か10分くらいだろうか、だんだん薄く消えかかってきた。それでも僕は目を反らすことはなかった。そして電車がトンネルに入り、窓に自分の間抜けな面が見え、すぐに元に戻す。
 
 
 トンネルを出ると、虹は跡形もなく消えていた。
 
 
 なんだか、それだけなんだけれども、リアルな感動が自分の中に溢れて、なんとなく幸せな帰り道だった。また見られることを祈りつつ。