カゲオクリの空。

　毎日暑い日が続いている。毎日青空とセミの声が鳴り止まない。けど最近子供の楽しそうに遊ぶ声はあまり聞かない。外で遊ぶことがなくなってる現代の子供。遊びづらくなってるというのもあるけど、遊び場が無いし、最近は物騒だし、行き場がない。今の世の中そんな行き場のない空気が漂っている。
　そんなことを考えながら空を見上げてると、『カゲオクリ』という遊びをふと思い出した。地面の自分のカゲをまばたきせずに10秒程見続け、そして雲の無い青空に目線を上げるとその見続けたカゲが青空に投影されるというシンプルな遊びだ。ふと立ち止まり、自分のカゲを見つめ、青空へ投げた。自分のカゲが空に映り、そして消えた。
　
　今もこの空にカゲを送る人はいるのだろうか。そのカゲと僕のカゲが何処かで重なっているのだろうか。それともただ消えていくのだろうか。
　
　今日も空は青く、何処までも続いていた。