『I'll Cure You With Electricity / MY WAY MY LOVE』感想・レヴュー。


 
 『またしてもやられた!』っていうのが最初の感想。
『JOY』、『a HOLYLAND INVADER』でも独自の世界観をぶちかましてきたMY WAY MY LOVE。前作までは内省的な雰囲気で内へ内へと音を吐き出していっていたけど、今作ではその今まで内側へ溜めてきたエネルギーを外側へ発信・伝達しようとする意思を感じた。元々持っていたポップセンスを持ち寄ってそれぞれの楽器の鳴り方、バランス感覚で何か一種の提案・疑問を投げかけるようなとてもアーティスティックな部分が全面に出ている作品になっていると思う。しかしそれはマイウェイなので普通の提案・疑問なんてもんでなく、ましてやメッセージなんてもんでもない。複雑でこんがらがっていて、思考と感覚がそれぞれ追いつかないほどにそれを投げかけてくる。きっとマイウェイはそんなメッセージ(曲)を聴いて困惑しているリスナーたちを見てほくそ笑んでいるに違いない。そしてリスナーは考えて、感じたものをマイウェイは受け取って次の作品に生かしていくんだろう。リスナーはただ聴くだけに留まっていてはいけない。考えて、感じて、それを消化して受け取ったメッセージを返していくことが大事なんだ。そういった考えさせられるロックアルバムというものが昨今は少なくなっているこの時代に、稀代のロックバンドMY WAY MY LOVEが投げかける圧倒的な『Suggestive Rock』、サジェスティヴ・ロックと僕は呼ぶことにする。
考えて、感じて、そして自分で決めろ。
そういうことを僕はこのアルバムから受け取った。
 
消化し終わったら、もちろんあとは音楽を純粋に楽しむだけ!
最高だ!ロックミュージック!マイウェイマイラヴ!